肺癌の鑑別診断

早期肺癌に酷似したGGO肺炎

CTによる経過観察も選択肢の一つ

注意しなければならない点は症例3です。COP肺炎といって間質肺炎の一種ですが、CT所見は肺癌に酷似しています。手術ではなくステロイド治療で陰影は完全に消えました。この区別は専門家でも、なかなか難しいものですが、不要な手術をなくすためにも間質肺炎による肺野結節陰影を区別出来る様、努力が払われなければなりません。

5症例3 
間質肺炎による肺野結節陰影

6 症例4
GGOとはCT画像で、すりガラス状の結節陰影を意味します。
GGOは早期肺癌だけでなく間質肺炎にもみられる 画像所見です。この症例は肺癌が疑われましたが、 3年間の経過観察で陰影が消えました。
不要な検査や手術を行わずに済みました。 針生検やPET検査を行っても、GGOと肺癌の鑑別は困難です。
診断が紛らわしい場合には担当医を信じ、勇気を持って待つことも大切です。

filed under: